血中脂質が甲状腺に及ぼす影響

血中脂質にはコレステロールと中性脂肪があります。食事のバランスが良く健康体ならば、血中脂質は適切な量が維持されます。しかし暴飲暴食、ストレス、高血圧、運動不足などによって体の機能に異常が起こると、脂質の処理が上手く行えなくなって悪玉コレステロールや中性脂肪が正常値を超えて増えたり、場合よっては正常値以下に減少することもあります。

 

一般に脂質異常症には、悪玉コレステロールが多くなる高LDLコレステロール血症、善玉コレステロールが少なすぎる低HDLコレステロール血症、中性脂肪が増加する高中性脂肪血症の3つの症状があります。しかし糖尿病、高血圧、甲状腺異常など影響で血中脂質が高くなることもあります。

 

甲状腺は首の付け根の少し凹んだ部分にある器官で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺機能低下症になると、機能が低下して正常にホルモンの分泌が出来なくなります。代表的な症状は倦怠感、血圧の低下、体重の増加などで、病状が進むと心臓の機能が低下することもあります。甲状腺機能低下症を発症すると、総コレステロール値が高くなる傾向が見られます。甲状腺の症状に気を取られて、コレステロール値の上昇を見逃すと、動脈硬化を進ませてしまう可能性があります。

 

逆に総コレステロール値が低下するケースは甲状腺機能亢進症と言います。ホルモンの分泌が過剰になる病気で、体重の減少、発汗、体温の上昇など機能低下症とは逆の症状がみられます。コレステロールは少なすぎてもよくないので、体調管理には病状の確認だけでなくコレステロールの増減も把握することが大切です。甲状腺の治療とともに血中脂質のケアも必要となるので、主治医と相談しながらケアを実施するとよいでしょう。